〈作品概要〉
監督:クラウス・ハロ
キャスト:ヘイッキ・ノウシアイネンほか
公開日:2020年2月28日
本編尺:95分
予告編:https://youtu.be/99zZCBoc9kc
〈あらすじ〉
年老いた美術商オラヴィは、家族よりも仕事を優先して生きてきた。そんな彼のもとに、音信不通だった娘から電話がかかってくる。その内容は、問題児の孫息子オットーを、職業体験のため数日間預かってほしいというお願いだった。そんな中、オラヴィはオークションハウスで1枚の肖像画に目を奪われる。価値のある作品だと確信するオラヴィだったが、絵には署名がなく、作者不明のまま数日後のオークションに出品されるという。オットーとともに作者を探し始めたオラヴィは、その画風から近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品といえる証拠を掴む。「幻の名画」を手に入れるべく資金集めに奔走するオラヴィは、その過程で娘親子の思わぬ過去を知る。
♦️安定のお爺さん×孫 の気持ちよさ
歳の離れた二人が組んで奇跡を起こす系の作品がたくさんあるのも納得の安定感。
通常組むはずのない二人が組むと言うことでの化学反応がしっかりこの作品でもあって、安定の気持ちよさを届けてくれます。
お互いがお互いをどこか馬鹿にしているけど、リスペクトしあえる中になるまでが本当に好き。
♦️オークションのドキドキ感❗️
サインの無い肖像画、でも絵を見ると緻密でちゃんとした画家が書いたものである事はわかる、そんな作品を一世一代の発見になると出どころを探すところから描かれる本作。
私はてっきり画廊が最初に出どころとかしっかりさせてからオークションが開かれるものだとばかり思っていたので、なんて雑な仕事をする画廊なんだと思って見てましたが、これが普通なのか。故に皆が正体不明の絵を躍起になって買おうとするシーンで、主人公が到底払えない金額まで膨らんだところで何度も手を挙げる度にヒヤヒヤが止まりませんでした。
〈総合評価〉
今日1本映画観ないと気が済まないなーと思って配信サイト漁っている時にポスタービジュアルが目に入ってきて思わず視聴ボタンを押しました。
老人×子どもの映画はハズレなしと思っているのですが、この映画もアタリでした。
世代感ギャップで生まれるアナログとデジタル、思考の差がいい化学反応を生み出すんですよね。期待通りの気持ちよさでした。
フィンランド映画ということで、あまり馴染みのない作品ではありましたが、とても静かで美しく、ハリウッド映画のように派手さはないですが心にグッと沁みるよさがありました。
終盤は一筋涙も流れます😢
人生の晩年、私は生きてきた証を何で残せるのか。とても深く心に沁みる作品でした。