〈作品概要〉
監督・脚本:クォン・オスン
キャスト:チン・ギジュ、ウィ・ハジュン、パク・フンなど
公開日:2021年9月24日
本編尺:104分
予告編:https://youtu.be/ttlmwApDDrY
〈あらすじ〉
聴覚障害を持つギョンミは、ある夜、会社からの帰宅途中に、血を流して倒れている女性を発見する。それは巷で起こっている連続殺人事件の犯人の仕業だった。事件現場を目撃してしまったギョンミは、殺人衝動を抑えられず人を殺してきた連続殺人犯ドシクの次のターゲットにされてしまう。全力で逃げるギョンミだったが、聴覚が不自由な彼女には追いかけてくる犯人の足音も聞こえなければ、助けを呼ぶ言葉も届かない。そんなギョンミを、ドシクはゲームを楽しむかのように追い詰めていく。
※以下、ネタバレを含みます。
♦️監督デビュー作とは思えない完成度
まず驚いたのがこれが監督のデビュー作という事。韓国映画界って本当にホラーとかスリラー映画とか良作がたくさんあるイメージで、新人監督でこんなもの作れるって国としてどうなってるんだろうと驚きます。そういう講座とかあるのか。
♦️無音の設定が生きたストーリー
主人公は耳が聞こえないという設定のため、助けを呼ぼうにも時間がかかって伝わらない、周囲が何を話してるかもわからない、後ろに殺人鬼が近づいてるのも気づけないというなんとも恐ろしい状況。見てる側もその環境にどっぷり浸かるので恐怖が倍増。設定がうまくいかされた恐怖演出が盛り沢山でした。
♦️今風の強い女性が主人公
タイトル通り殺人鬼に追われ続ける映画ですが、被害者女性がただ逃げるだけじゃないのがこの映画の面白いところ。耳が聞こえないというハンデがあっても決して弱者としてだけ描かれる事がないのが最高に爽快です。
♦️さりげない社会へのメッセージ
基本軸だけ見てると耳の聞こえない女性が殺人鬼に追われ続ける映画なんですが、所々で視聴者、つまり私たちに対してメッセージを発信してるシーンがいくつかわかります。
これは解説動画を見てから2回目劇場で見て発見したのですが笑
解説動画:https://youtu.be/vSzdB9j08sM
〈総合評価〉
9月劇場で鑑賞したベストであり、今年の暫定ベストの映画です。まだ7本しか見てないのでそもそもそ分母少ないのですが笑
なんといってもラストの爽快感、韓国映画あるあるの最後バッドエンドで報われない辛さ、、故に悶々として劇場を後にするんですが今作はもう気持ち良すぎていい気持ちで終われます。
ただ2回目見に行った時にその感想がちょっと変わり、最後の主人公の手話は私たちにも向けられてるという話で、それに気づかされた時にとても違う恐怖を感じました。
殺人鬼のセリフ「こいつらに期待したのか」がこちらに言われてるという感じもさらに怖かった…。ハラハラドキドキのスリラー映画好きな人は絶対気にいる映画だと思います。
劇場の静かな環境で無音の恐怖を主人公と一緒に感じる映画体験になると思います。