〈作品概要〉
監督:李相日(怒り、など)
公開日:2022年5月13日
本編尺:150分
予告編:https://youtu.be/uDOZfOlA4oY
〈あらすじ〉
ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗に、19歳の大学生・佐伯文が傘をさしかける。伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。“被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗と文は、事件から15年後に再会するが……。
劇場で久々に映画を鑑賞🎬
色々悶々とした体験でした。
♦️重たくとも直視しないといけないもの
李相日監督の作品は前作の「怒り」を観ただけですが、あの作品は凄かった。
見る前から宣伝で流れてくる映像が、写真が全部重たくって骨太で、絶対胃もたれする事が見る前から分かってるのに見ないといけないと思わせる力がある作品でした。
実際観たらやっぱり重い重い、、、、🙇♂️
しかしとてつもない大きなハンマー🔨で頭殴られたような衝撃を心にうけて見た自分を褒めたくなった作品でもありました。
そんな監督の最新作とあって本作品も重たい事を承知で鑑賞を決め劇場へ。
まあやはりというか、、、、終わった後はその重たさにしばらく複雑な気持ちに。
監督の作品は〈重たい〉だけじゃなくて心に残る強いメッセージがあって、今回もまたそれは確かに感じました。
♦️レッテルを貼って安心する私たち
ジャンルは違えど「万引き家族」を見た時と同じような気持ちを少し抱きました。
自分の理解を超えるものを既存の枠組みに当てはめて安心するというか、その人との距離を置こうとして身を守る。
理解はせずにそのような行動をとるのが人間だと思っていて、「万引き家族」でいう警察が私たちの姿で、血の繋がらない家族の中にある真実とか絆なんて見もしないし、考えもしない、勝手に他所から土足でやってきて家族をめちゃくちゃにする。
自分達はそれを正義と呼んで、、。
「流浪の月」ではリョウ君や谷さんが私たち第三者の役割を果たしていて、更紗と文の関係を汚らわしいもの、存在を許してはいけないものとして拒絶します。
又、更紗のバイト先の人たちも同じ装置として機能しています。
三浦さん演じる店長は最後までいい人だった、、、ああいう人がいるから人間を嫌いにならないなーってしみじみ思ったり😅
見ていて、なんで彼らの存在を理解してあげられないんだと思う一方で、自分がリョウくんだったらどうしただろう。
谷さんだったらどうしただろう。
殴りはしないまでも更紗の目を覚まさせなきゃ!と必死になって精神科医とか連れて行ったりしただろうなと想像します。
♦️監督曰くハッピーエンド
私は原作未読なので、どこまで映画にあたって変更されたのか知りませんが原作者の凪良先生は気に入ってるようでした。
※凪良先生公式Twitterより
監督がハッピーエンドだと思っていると語っていましたが、私も最後は希望が見えた終わりだと思いました。
ちょっとホッとしたといいますか。
だからか「怒り」よりも胃もたれ具合はまだましだったというか、ただ食らった衝撃はあっちの方が大きかったかな。
見終わって思い返して一番頭に残ったシーンは文がまた警察によって子どもと引き離されそうになるところ。
文の言葉を借りると「もうやめてくれ」って本当に思った。俺たちの慎ましくも平穏な日常をこれ以上土足で荒らさないでくれって。
後は湖の手を繋ぐシーン
結局2人の関係は何なのか、〈愛〉って言葉を使うと陳腐で適切ではなくて、今存在している言葉では伝えられないから見るしかない🤔
※映画公式Twitterより
70分の未公開シーンがあるみたい☺️