プライバシーも匿名性も失われた世界で起きた、起きるはずのない犯罪っていう題材が今時な感じがしたのとSF映画見たさに鑑賞しました。
〈作品概要〉
監督・脚本:アンドリュー・ニコル「タイム」等
キャスト:クライヴ・オーウェン、アマンダ・セイフライドなど
公開日:2019年1月4日
※一部の劇場で特集上映のみ
本編尺:100分
予告編
〈あらすじ〉
地球上の全ての人間の記憶が記録・検閲されるようになった近未来。犯罪が不可能になった代わりに個人のプライバシーも匿名性も失われたこの世界で、起こるはずのない殺人事件が発生する。やがて捜査線上に、個人を特定されずにいる「記録のない女」の存在が浮上。しかし事件は何かの始まりを示唆するかのように繰り返されていく。
主人公の刑事(クライヴ・オーウェン)
匿名の女(アマンダ・セイフライド)
〈ネタバレあり感想〉
映画を見終わった後に、監督が2012年に18億の大ヒットを記録した映画「タイム」の監督だと知ってちょっと納得。
本作で目指されたのは、近未来の人類への警鐘も含めての映画だったのではと思いました。
プライバシーも匿名性も失われて、自分の視覚が記録として残り、何をしたのかが全て分かってしまう世界。今の率直な気持ちとしてはそんな世界怖くて絶対に嫌だと思う。
この気持ちを映画の中で我々の代弁をしているのが、この世界でいないとされているはずの匿名の女(アマンダ・セイフライド)。
彼女は他人の目に写った自分の記録を消すことができる。
この映画見ていて、クライヴ・オーウェン演じる刑事の言っていた「なぜ存在を消そうとする?隠れようとしなければ追われないぞ?どんな秘密があるんだ」という事が今はまだ全然理解できないんだけど、もしかしたら近い未来で彼の言葉をその通りだ!って理解できちゃう日が来るかもしれない。
何故って、今思い返しても時の流れと世の中の常識の変化にゾッとしますが、昔はWEBに自分の顔あげたり、情報アップする事なんてみんなダサいと思ってた。
なんなら顔写真とかあげようもんなら自慢してんのかよwww
みたいな。
それが今となっては自分のプライベートな事をガンガン何の抵抗もなく紹介していく世の中になっています。
これが10年やそこらで変化していってる。
しかも別に国が強制的に始めたわけでもなく、一人一人が勝手にです。頼んでもいないのに。
プライバシーも匿名性もない時代を自らが進めようとしてるんですよね。
映画の中で警察局長が言う「殺人が起きる事より、匿名な人間がいる事の方が危険だ」っていう台詞とか本当にありえないと思うけど、監視社会になった途端それが当たり前になるので本当怖い。
殺人事件が起きるのを防ぐためならみんなのプライベート全部さらそうよって言ってるようなもんです。
映画では絶対の監視体制が敷かれているので、「目に見えるものが全てだ」って言うんですよ。主人公の刑事が何者かに嵌められて殺人の罪を着せられた時もそれまで一緒に事件を捜査していた上司までもが彼のことを信じない。
「この社会は目に見えるものが全て」
それが偽りの記録だとしても判断する人間が見抜けない場合その記録が真実になるんです。
全てが見える世界は人をかえって盲目にするんですね。真実は見えてるものだけしかないと。
この映画の世界が怖いと感じる現代だから、だからこそ匿名の女のラストのセリフに本当に共感するんです。
「私に秘密はない。見せたいものがないだけ」
本当にこれです。
監視社会の怖さを感じると言う点では優秀な作品だと思います。
ただ、所々粗い描写があったのも事実。
記録されたくない場合は目を瞑ればいいとか、(音も聞こえるはずなのに!そもそもどうやって記録が撮ってんだ!?)匿名の女の考え方に共鳴したかに見えた主人公が最後そんな事なくて全然監視社会万歳人間だった点とか、思う事もありましたが、学ぶ事はありましたのでよしです。
あと、これは全然この作品に期待してなかったんですが、アマンダ・セイフライドの裸が見れます。当時33歳とかですかね。この作品のアマンダ本当綺麗でした。
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