ビジュアルかっこよくて、アクション楽しめそうな映画かなと思って鑑賞。ちょっとグラディエーターっぽさも期待しました。
〈作品概要〉
監督:ハワード・マケイン
キャスト:ジム・カビーゼル、ソフィア・マイルズ、ジョン・ハート、ロン・パールマンほか
公開日:※日本は未公開。アメリカは2009年
本編尺:115分
〈あらすじ〉
SFファンタジー。とある惑星から飛び立った宇宙船が、8世紀の地球・ノルウェーに不時着した。唯一の生存者である乗組員ケイナンがバイキングに捕らわれる一方、宇宙船に潜んでいた殺戮生命体「モアウェン」が次々と人間たちを襲いはじめる。バイキングの族長の命を救ったことで信頼を得たケイナンは、彼らと力をあわせてモアウェンを倒すべく立ちあがる。
〈ネタバレあり感想〉
一言で表すなら、
バイキングvs宇宙人
です。
根底にあるのはやっぱり人間の自然界におかしている欲深い罪。自分たちの為なら他の生き物なんてどうだっていいと言う考え方。
故にそこから追い出された生き物が、人間に復讐している様にも思える。
物語終盤で、モアウェンの棲家に殴り込みにいくのですが、そこにはたくさんの死体の山が。
バイキングの王は目を伏せ怒りを覚えるのに対して、これまで宇宙で自分たちの住処の為にモアウェンを山のように殺してきたケイナンにはそれが自分たちがしてきた事の愚かさを知る光景に映ったと思います。
結局ラストはモアウェンに妻と子供を殺されたケイナンが、モアウェンの親と子どもを殺してバイキングの一族の新しい王となって終わるのですが、やっぱりどこかしっくりときません。
ただ、そのしっくりとこない感じは、自分の罪の意識を認識しながらもそれを解決する術をもたない私たちの姿と重なるようで少し深い。
なんだよその問題に解決見出さずに終わるのかよと物語に対して不満を覚えるのは、まさにこの問題が自分にも返ってくるからだと思いました。
早々にケイナンの文明の力が迷子になって、原始的な武器で戦う展開からすでに好きでした。
あと美術が最高にいい。ノルウェーバイキングの村、装飾、服装が本当素敵で、ここまで作り込まれた舞台は見るだけで楽しいです。
10年以上も前の作品なので、CGは正直今見てしまうと結構笑ってしまいましたが、モアウェンの造形もなかなか独創的で良かったです。