個人的にSF映画ブームなので気になって鑑賞です。劇場で公開されてたの知らなかったな。
ロシア映画っていうのも見るのもしかしたら初めてかもしれません。
〈作品概要〉
監督:ドミトリー・グラチョフ
キャスト:エブゲーニイ・ミローノフ、アンナ・チポフスカヤ、ビニー・ジョーンズほか
公開日:2016年1月9日
※一部の劇場のみ。
本編尺:86分
公式サイト:http://www.interfilm.co.jp/calculator/
予告編:https://youtu.be/8eoIq454kNk
〈あらすじ〉
未知の生命体が巣食う地に追放された囚人たちが繰り広げる決死の脱出劇を、独創的に描いたロシア製SFアクション大作。底なし沼に覆われた惑星XT-59。この地に住み着いた人類は全て惑星管理システムの下におかれ、システムの命令通りに暮らさなければならない。命令に背いた者は刑罰として都市から生存困難な大地へと追放され、生き延びるためには300キロ離れた「幸福の島」に自力でたどり着かなければならなかった。その道中にある沼には謎の有機生命体が生息しており、今まで無事に通り抜けた者は1人もいない。エルビンやユストら囚人たちは、幸福の島を目指して絶望的な旅に出るが……。
〈ネタバレあり感想〉
んー結論から言うと惜しいSF映画。
いろんな設定がよくて、CGにかかってる費用もかなりのもので、「レプリカズ」よりもはるかにお金かかってるSF映画だなとは思います。
ただ、話の持っていき方と、最後の終わらせ方を強引にやったなーという感じが拭えません。最後笑っちゃいます。
かなりとんだなって笑
設定としてまず、管理社会でシステムに全てを決められる世界となっていて、仕事も、結婚相手も自由に出来ない。そんな生活に嫌気がさした女性が犯罪者になって、他の犯罪者と一緒に最高刑の流刑をくらいます。
人間を襲う生物がいるこの沼で、300キロ先の幸福の島まで無事に辿り着けることができるのか!というもの。
このクリーチャーの造形はどこかで見たようなムチのようなもので、この辺りは全然無機質な感じでいいんじゃないかなと。ポスターに載ってるあの黒いやつですね。
登場回数少なかったけど。
主演のエブゲーニイ・ミローノフって人が、ロシアでは名誉勲章?みたいなものももらってる凄い人みたい。なんか凄い人なんだろうなって分かるくらいの登場の仕方でした。
このナイフ突き立ててる人。
その横のアンナ・チポフスカヤっていう女優さんがまあ美人で、なんか後半ほぼこの女優さんの美しさを見るような映画になってました。
いつも洋画で思うのが、絶対何がしかのおいろけシーンがありますよね。
あれかな、ストーリー、音楽、ビジュアル、とかの中においろけみたいなジャンルも海外ではあってマストなのかな。
シャツが濡れてブラつけてないもんだから乳首さんが浮き上がるっていう。そしてその謎のシーンをただただ眺める我々。不思議だな。
公式インスタ
終わってからインスタ見たんですけどまあ美しい。やっぱり美人ってだけでいいよね。羨ましい。
作品の見どころというか、よかった点だけ上げていくと世界観が広大で、死の旅をしている感じがちゃんと出ていた。
不毛地帯で本当に何もない一面黒い砂っていうのがよき。
実は主人公の男が、元総統の右腕的なやつでこいつがシステムはおかしい!と気づいてそれを変えるためにここにいるという設定。
徐々に彼の素性を明かされるところから、旅の意味みたいなものも伝わってよかった。
あとキャラクターも好きでした。
あと犯罪者の中に北極のオオカミ?の異名を持つ坊主のおじさんもいいキャラでした。
システムに人間が従ってる感じもベタですがよかった。結局人類は自分たちが作ったシステムに従って生きているのね。
この飛行船の造形凄い。
最初はただの正方形の箱みたいなものが変形していくとこ結構おぉーとなりました。
一番共感したのは、流刑のシステムを考えたのは主人公だったと知ってアンナが激怒するんですよ「この残酷な罪人が!」的暴言を吐いて。
それに対して主人公は、「市民は誰も反対しなかったじゃないか!」って言うんですよね。
これはやっぱり思うところありました。
直接自分たちは何も考えずにただ決められた事に従うだけで、いざ何かが起きたら人のせいにする。自分たちにも拒否する権利もあったはずなのに、それをしないで文句だけ。
本当にこの女性が自分を表してるなーと胸が痛かった。
あとは突っ込むところは本当に山ほどあるんですよ。主人公補正の敵に襲われない描写がちょっと設定破綻してるよねって感じのやつだったり、(音出したらあかんのにめっちゃ箱引きずってる)。大声で叫んでも敵来ない。
そして最後はバッドエンドなとこでしょうか。
2人の世界としてはハッピーエンドみたいですが、結局全世界としてはバッドエンドだったと言う。主人公がおかしいと思ったシステムを破壊する事に成功したのに、結局新しく作り上げられたシステムの方がもっと非情なものになったって終わり、、、。世界は変えるべきじゃなかったという帰結なんでしょうか。
私はこれ割と「アベンジャーズ」でも思ってて、ネタバレになるんですがあれって世界が人口増えすぎて、そのせいで食料問題とかいろんな問題があるからサノスは全種族の悪者として犠牲になって、世界の人口を半分にするっていう解決策をやり方は強引でしたが果たすんですよね。
んで、そのやり方はおかしい!世界中の悲しみをこのままにはできないってアベンジャーズが立ち上がって見事サノスの若い時を殺して解決するんですが、彼らの視点からの悲しみへの解決はされるけど、世界の問題はそのままもとのままなんですよ。
何も変わらなかったのと同じだから結局問題は解決できてないんですよ。
だから彼らの今後は世界に蔓延する人口の問題をどのように解決するかにかかってます。
そういう意味ではこの映画もとても似てます。
主人公とアンナにとって悪いと思ったシステムが破壊され、私たちはよかった!だけどそのあとできたその国のシステムはさらに悪いものになったので結局ダメでしたという話なので。
なんかロシア映画で革命が失敗する終わりってなんか怖い……。
という事で配信鑑賞5本目はロシア発のSF映画「カリキュレーター」でした。